カテゴリ:読み物( 43 )

⑨ー12エリスマン邸殺人事件簿 全12話

エリスマン邸殺人事件簿 全12話

第9話 「 告白 」続きの続きの続きのとにかく沢山の続きの続きの続き


明けない夜がないように、生きていれば誰にでも朝は来る。どんな困難に遭っても、いつかはなるようになる。原因の反対語が結果だと知ったのは、結構大人になってからだ。物事を発生せしめたものを原因と言い、物事の発生により生じたものを結果と言う。





長い間踊り場でうずくまっていた夕凪(ゆうな)にも、そろそろ目覚めてもらおう。







「夕凪、夕凪そろそろ起きなさい」
「夕凪ったら、学校遅刻しちゃうわよ」




「夕凪 夕凪」




「あと5分あと5分だけ寝かせて」






母が寝ている私を覗き込んでいる。
薄ぼんやりと見える母のまなざし。






大きいぎょろっとした目
もじゃもじゃの髭




・・・・・大きい鼻・・・・ん?大きい鼻?






違う・・・お母さんじゃない。




目をパチリと開けた夕凪。

そこには見覚えのある、太った男の顔があった。



ごくりっ夕凪は唾を飲んだ。


自分でも吃驚するくらい大きく唾を飲む音が耳に響いた。




「あなたは・・・


またしても大きな男と目が合った。




悪夢は再び迷える子羊の前に現れた。




続く































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by komaoyo | 2016-06-18 21:27 | 読み物 | Comments(0)

⑨ー12エリスマン邸殺人事件簿 全12話

エリスマン邸殺人事件簿 全12話

第9話 「 告白 」続きの続きの続きのとにかく沢山の続きの・・・続き


踊り場に倒れている女に、出来る限りの恐ろしい顔を作り驚かしている男。
その後ろには男の肩に手を駆ける、また別の男が居た。


「もうやめて下さい。旦那様」

聞き覚えのある声だと思った夕凪はすかさず言った。

「あっ伊勢谷仁」そう言って目の前の大きな男を左手で押しやり立ちあがった。そのせいで大きな男はごろんと、まるで達磨が転んだようになった。

「おっと」その男の後ろにいた男は、達磨のように転んだ男を反射的によけた。

狭い踊り場とは思えない程、身軽に男は登り階段にストンと着地した。





「一体全体何処に行っていたのよぉ」
「旦那様大丈夫ですか?」
「うーっ痛い・・・気がする」


夕凪と
伊勢谷仁と呼ばれた男と
転がった大きな男は

同時に叫んだ。


続く
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by komaoyo | 2016-03-17 08:02 | 読み物 | Comments(0)

番外編 エリスマン邸殺人事件簿 全12話

エリスマン邸殺人事件簿 全12話


※カウント18:32辺りからお聴きになりながらお読み下さい。




戸志川有起哉であって戸志川有起哉ではない男。琉津田さほりであって琉津田さほりではない女。そんな2人から逃れようと、一目散に逃げ出した夕凪。

しかし行けども行けども建物の外に出る事は出来ず、やがて力尽きて踊り場にうずくまった・・・。


まるで止まった歯車のように、何日も何日も動かないまま。





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果たして夕凪は死んでしまったのか?


それとも、突然起きだして戸志川や琉津田さほりのように、得体の知れない人物に変わってしまうのか?


何処からともなく伊勢谷仁が現れ助けてくれるのか?


異次元に迷い込んだ人々は?残された人々は?あの大男は今何処・・・。






作者でさえ、考えもつかない展開がきっと待っている。いや待っていて欲しい。絶対待っているに違いない。


近日中、次回更新!



・・・・気を持たせて幾星霜、多分・もはや・きっと「エリスマン邸殺人事件簿」なんて、誰も覚えていないかもしれない。作者だってうろ覚えな位なのだから。Σ(´∀`||;) はははははははっ


しかし、記憶の糸を手繰り寄せ、また書き出します。

 ___
  \●/ 
(・_・)ノ   結末が「あっぱれ!」と言われるその日まで



書いて見せますぞよ




































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by komaoyo | 2016-03-15 05:29 | 読み物 | Comments(0)

⑨ー11エリスマン邸殺人事件簿 全12話







エリスマン邸殺人事件簿 全12話

第9話 「 告白 」続きの続きの続きのとまれかうまれ沢山の続きの続き






何が起こるらむ

益々深みにはまっている気がす

「ただ 二胡を弾きに来しのみなれど」


もう一度言はむ


「ただ二胡を弾きに来しのみなれど」



我はこの言葉を呪文のごとく唱えながら逃げき。

階段を何段も駆け降るる、されど何段も降りていへど一向に最下段にならず。


夕凪は夢中に逃げたりしかば、とばかり気が付かざりき。

されどはたと気がつきき。(おどろくが遅すぐる・・・)


「さればこの建物何階建てなの・・・。地下1階 地上2階なりしには?少なくとも10階以上は降りたり」

おかしき絶対おかし。


夕凪はこうじて1歩も動けなくなりき。そして、階段の踊り場にうずくまりき。


「助けて助けて 助けてよ 伊勢谷仁 」


もはや声も出でず、心の中にののしりき














※この場合の「ののしりき」とは・・・叫んだ の意味












続く
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by komaoyo | 2015-08-23 20:08 | 読み物 | Comments(0)

⑨ー10エリスマン邸殺人事件簿 全12話

エリスマン邸殺人事件簿 全12話


第9話 「 告白 」続きの続きの続きのとにかく沢山の続きの続き






「戸志川さん、戸志川さんが何でここに…何でここに写っているんですか?」夕凪は、写真を見ながら叫んだ。そして、ソファーに座っている戸志川の方を見ながら


「琉津田さんも戸志川さんも、悪い冗談はやめて下さいよ。この写真、加工しているのでしょ?どうしてかは分からないけれど・・・アハハハッ何?何ですか?お二人で私を驚かして、え?え?一体どういうつもりなんですか?」夕凪はそう言いながら、頭を抱えている戸志川の近くに行き


「黙っていないで戸志川さん、何とか言ってくださいよ」と言い、その後も早口で

「わかったわかった。仮想大会か何かの時の写真でしょ。あっそうだハロウィンか・・・そうだそうだ!なーんだもう吃驚するじゃないですか?もしかしたら今までの一連の吃驚仰天の数々は、仕込み?あっでも私が怪我をしたことは・・・・、想定外のこと?・・・・いやいや、もう本当に何が何だか分からないけれど、兎に角、ねえねえ戸志川さん教えて下さいよ、本当のこと」そう言って夕凪は、戸志川の肩を揺らした。

すると戸志川は顔を上げ、夕凪にこう言った。



「すみません。夕凪さんを驚かせてしまったようですね」


「・・・」



夕凪は、顔を上げた戸志川を見て別人のような違和感を直感的に感じた。



戸志川は、次に琉津田さほりの方を見てこう言った。




「お久しぶりです」



「戸志川さん・・・ちょっとちょっと何言ってるんですか?お久しぶりって・・・さっきから琉津田さんに会ってるじゃないですか・・・。やめて下さいよ、おかしな事言うの・・・」夕凪はそう言って、ごくりと唾を飲んだ。




「お久しぶりです。良かったぁ戻ってらして」琉津田さほりは、思わず戸志川のところに駆け寄った。



戸志川は立ち上がり、琉津田さほりの手をとり、心から懐かしいという風にして握手をした。










「え?え・え・えーー何これぇー益々分からないーーーっ。お二人何やってるんですか?」そう言いながら夕凪は、何故かドアの方に後退して行った。


「お帰りなさいと言うのか・・・この場合やっとやっと会えたと言うべきか・・・」琉津田さほりは戸志川の目をじっと見て言った。



「戻る事が出来て私も嬉しいです」戸志川は握手した手を離すことなく、より強く琉津田さほりの手を握った。



戸志川と琉津田さほりは、長年会っていなかった同級生にでも会ったみたいに、再会の喜びを分かち合っていた。



「変ですよ。変ですよお二人。」そう言って夕凪は左手を後ろに回し、いつでもこの場所から逃げ出せるようにドアノブに手を掛けた。


「夕凪さん、驚くのも無理はありません。でも大丈夫 私も戻ってこれたのだから、夕凪さんも戻れます」戸志川は笑顔で夕凪の方に近づいてきた。




「ひえーーーっ来ないでーっ」



夕凪はドアノブを捻り、廊下に転がるように出て一目散に駆け出した。



「ゾンビが来るぅぅぅうううううう」





と、訳のわからない言葉を残して。




部屋の中に残された戸志川有起哉と琉津田さほりは、顔を見合わせこう言った。




「私たちがゾンビ?」



そして、困ったような顔になりこう言った。




「あーあっ」









続く
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by komaoyo | 2015-08-22 07:33 | 読み物 | Comments(0)

⑨ー8 エリスマン邸殺人事件簿 全12話

エリスマン邸殺人事件簿 全12話

第9話 「 告白 」続きの続きの続きのとにかく沢山の続きの続き












「夕凪さん戸志川さん、これお分かりになりますか?」そう言って1枚のハンカチを差し出した。

「それって、今涙を拭いていたハンカチですよね」戸志川が言った。


「ええ そうです。このハンカチ、母から譲り受けたものなんです」そう言って琉津田さほりは、汕頭(スワトウ)刺繍が施してある白いハンカチを大切そうに両手で包んだ。



戸志川も夕奈も、どうしてハンカチの話を始めたのか、皆目わからないという顔で、琉津田さほりの手元を見た。


「急にハンカチの話をして、可笑しいと思われたでしょう?夕奈さんのお話を聞いたばかりで、なんの繫がりもないハンカチの話を、唐突だと思われるのも無理ありません。今からお話しすること、お二人にはきっと分って頂けると思ったのでお話しする事に致しました」そう言って立ち上がり、マントルピースのある方に歩いて行った。


「この写真を見てください」そう言って、いきなりマントルピースの左側に掛けてある黒い額縁を指さし「この写真と同じものが家にあるんです」と、またまた唐突に言った。


「えっ?」
「えっ?」

戸志川と夕奈は顔を見合わせた。


銀色の額に入って飾られていたのは、洋館の前で撮られた集合写真だった。
大きく引き伸ばして飾られている。


そこには着物を着ている人や背広を着ている人、中にはコック帽を被った人も写っていた。前列真ん中には、髭を蓄えた大きな男が満面の笑みで写っている。よく見ると他の人々も皆笑顔だ。大概集合写真と言うと、皆緊張した面持ちで写っているものなのに。誰もがカメラに向かって幸せそうな顔をしている。


「集合写真ですね」戸志川が見た儘を言った。


「あれっこの写真、エリスマン邸みたい。鎧戸の感じや手すりが、ちょっと違うみたいだけれど・・・。とすると、この真ん中で笑っている髭の男の人がエリスマンさんかしら?確かスイス人でしたよね」夕凪もすかさず言った。


いつの間に写真の前に戸志川も夕凪も集まっていた。



「ええ、この方がエリスマンさん、そしてこの方が奥様・・・周りにいるのは」と、琉津田さほりが言いかけた途端、「おや?・・・・」と言って、戸志川はじっと写真を見たまま固まってしまった。





「戸志川さん ?どうしたんですか?おやっと言いかけた途端黙ってしまって」戸志川の肩をたたきながら夕凪が言った。



「うん・・・。 ここ 、ここにいる女の人を見て!」
夕凪は戸志川の指さす方を見た。


そこには、髪を高く結い上げた洋装の琉津田さほりが写っていた。



「あっ るるっ琉津田さん・・どうして どうしてここに写っているんですか?」


吃驚しながら琉津田さほりの方を見た。



「ですから、家にも同じ写真があると言いましたでしょ」そう言って、両手で持った汕頭(スワトウ)刺繍のハンカチを見つめた。


「一体どういうことです?琉津田さん」


「それは・・・。それは、この汕頭(スワトウ)のハンカチと関係があるんです。そして・・・その事は戸志川さんも夕凪さんもご存じのはず・・・。」琉津田さほりは、2人をはっきり見ながら言った。



「ご存じ?」
「ご存じ?」



戸志川と夕凪は、同時に大きな声で言い顔を見合わせた。






続く
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by komaoyo | 2015-08-16 20:58 | 読み物 | Comments(0)

⑨ー7 エリスマン邸殺人事件簿 全12話

エリスマン邸殺人事件簿 全12話

第9話 「 告白 」続きの続きの続きのとにかく沢山の続き





夕凪は、エリスマン邸に来て遭遇した全ての出来事を二人に話した。

勿論、伊勢谷仁の事も。


身を乗り出して聞いていた戸志川有起哉は、「ふむっ」と口を真一文字に結んで、膝の前に組んでいた両手を頭の上で組み直しソファーに背をつけた。

琉津田さほりは、唇を噛んでじっと床を見ていた。


夕凪は一気に喋ったため喉がカラカラになり、ソファーテーブルに置いてあるガラスピッチャーから、勢いよく水をタンブラーに注ぎごくごくと飲み干し、「信じられませんよねこんな話。でも本当の本当に起こった事なんです」と言いながら、また並々と水を注ぎごくごくと飲んだ。



その様子を見ていた琉津田さほりは、目を丸くして驚いた。


「夕凪さん 大丈夫ですか、そんなに一気に飲んでしまって」戸志川有起哉は心配そうに言った。


「大丈夫です。<ゲップ>あははっ失礼しました。 なんだか一気に喋ってしまったから、喉が乾いちゃって乾いちゃって」タンブラーをテーブルに置きながら口を拭った。



「あの」琉津田さほりは、ソファーの椅子から立ち上がり、なにか決心したような眼差しで夕凪と戸志川の方に向いて言った。


「あの お二人は信じないかもしれませんが・・・」


2人の前で意外な事を話し始めた。






続く




※ 相変わらずの「そこで終わるか」シリーズ。 今回こそ早めの連投致します。
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by komaoyo | 2015-08-15 21:09 | 読み物 | Comments(0)

⑨ー6 エリスマン邸殺人事件簿 全12話

エリスマン邸殺人事件簿 全12話

第9話 「 告白 」続きの続きの続き



「夕凪さんも琉津田さんも 兎に角 座って話しましょう」戸志川 有起哉は落ち着いた声で、白いカバーのかかった大きなソファーの方に向かいながら言った。

簡素なドアからは想像できない程そこは立派な部屋だった。


高い天井、立派な応接セット。マントルピースまである。



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ソファーテーブルには、水の入ったガラスピッチャーとタンブラー、そしてティーセット一式とドーム型のガラスケースが置いてある。中には美味しそうなカステラがきれいに並べられていた。


琉津田さほりは、汕頭(スワトウ)刺繍のハンカチをポケットから出して涙を拭いながらソファーに座った。
元安比奈 夕凪は、白いタオルをぎゅっと雑巾絞りしながらソファーに座った。

戸志川 有起哉は二人を前に、ゆっくり一人掛けのソファーに座った。


「琉津田さん、大丈夫ですか?」戸志川が聞いた。

「ええ 大丈夫です。夕凪さんを見たら何だか安心してしまって・・・」そう言いながら、もう一度ハンカチで涙を拭った。

「安心したのは私の方よ。お二人を見てどれだけホッとしたか・・・」夕凪は白いタオルを胸に押し当てながら言った。


「琉津田さんが言う通り、僕も夕凪さんの顔を見て本当に安心したんですよ。助かったって・・・」


「えっ助かった?私の方こそ助かったと思ったんですよ。おかしな世界に迷い込んじゃった気がして、もう どうしようと思っていたんです・・・・この世の者じゃない人たちにも遭っちゃったし・・」


「この世のものじゃない人・・・」そう呟いて、琉津田さほりは下を向いた。



「夕凪さんも見たんですか?あの死体」戸志川が少し身を乗り出して言った。


「死体?えっええ 死体・・・・見ました。・・・・・・・生きていたけれど・・」最後の方は小さく呟くように言った。


「大きな男の死体ですよ」


「ええ 死体につまずいてその上に倒れ、大きな白目を剥いた男の目と私の目が合って、いやいやいやいやぁー 思い出したくもない、おぞましい記憶です。・・・・・確かに大きな男見ました。戸志川さんも見たのですか?」


「ええ 僕は演奏会場の椅子置き場の天井からぶら下がる男の死体を。琉津田さんも階段で・・・」そう言って、泣いている琉津田さほりの方を見た。




「お二人とも見たのですね。でも生きていますよ・・・その男」夕凪はさらりと言った。


「えっ?」

「えっ?」


「夕凪さん どどどういうことですか?」いつも落ち着いている戸志川に似合わない、裏返った声で聞いた。




「はぁ」夕凪は小さくため息をついて、今まで起きたことを最初から話し始めた。










続く
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by komaoyo | 2015-07-25 00:39 | 読み物 | Comments(0)

⑨ー5エリスマン邸殺人事件簿 全12話

エリスマン邸殺人事件簿 全12話

第9話 「 告白 」続きの続きの続き



「クモクモクモクモクモクモ蜘蛛クモクモクモクモ蜘蛛がぁああ」早口で叫びながら、人差し指で頭上を指した。


男は、大きい蜘蛛を手で払いのけた。

ぶら下がっていた蜘蛛の糸が切れ、蜘蛛は廊下の端に落ち、そそくさと逃げて行った。


「もう大丈夫ですよ。蜘蛛はいませんよ」

「本当に?本当に?」そう言って男を見上げた。


「あっ夕凪(ゆうな)さん?」

「あっ戸志川さん」


「夕凪さん・・・ですよね。 どうして此処に?」

「戸志川さんどうして此処に?」

二人は顔を見合わせ同時にお互いを指で指し言った。





夕凪は、尻もちをついたお尻をさすりながら起き上がった。

「大丈夫ですか?」

「ええ 少し痛いですけれど・・・」



「あっ包帯。顔が腫れている・・・一体どうしたんです?」

「話せば長いんですけどね。ちょっと・・・それより良かったぁ。私、もう変な事ばかり起こって・・・元の世界に戻れないんじゃないかと不安になっていたんです。本当に良かった お会いできて!!」



「夕凪さん?」

ドアの後ろから女が顔を出した。


「あっ琉津田さん 琉津田さんもいらしたのね。あー良かった」

「夕凪さーん」と言いながら、いきなり琉津田さほりは夕凪に抱きついた。


「琉津田さん?どどどうしたのです?」夕凪は戸惑いながら言った。

「私達ね私達ね・・・」琉津田さほりは泣きながら言った。


「話の続きは、とりあえず部屋に入ってしましょう」戸志川は2人の肩を叩きながら言った。




続く
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by komaoyo | 2015-07-23 23:59 | 読み物 | Comments(0)

⑨ー4エリスマン邸殺人事件簿 全12話

エリスマン邸殺人事件簿 全12話

第9話 「 告白 」続きの続きの続き



この世のものでない者に会ったり、白目を剥いて死んだふりをする男に会ったり、元来た場所に戻ろうとしてドアを開けたら、まるで違う場所に出たり。


ありえないことだらけの事実。


落ち着け私。とりあえず落ち着くのよ。


「伊勢谷仁~~~つ」



もう一度「伊勢谷仁ーーーーーーーーーっ」大きな声で叫んだ。

返事はどこからも聴こえない。

心細い気持ちになり「戻れないかも」こんな不吉な言葉まで浮かんできた。


肝心な時に限って出てこない伊勢谷仁。










こんな時、不思議の国のアリスだったら、時計を持った白兎やチシャ猫が道案内してくれるのに。
私の前には何も現れない。




猫一匹 ネズミ一匹見当たらない。





探すのよ!あの部屋を。こうなったら私一人で。

バックだって大事な二胡だって置いたままなんだから。

片っ端からドアというドアを開けて探すしかないわ。そう決心して私はとりあえず左に見える階段の方に行ってみた。

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上に行こうか、下に行こうか。


そう迷った時、階段下から話し声がした。


はっきりとは聞き取れないが、確かに人の声。


私は、恐る恐る階段を降り、話し声のしたドアの前に立った。


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ドアにそっと近づき、聞き耳を立てた。



「もしかしたら 私たち・・・」

「大丈夫ですよ・・・きっと・・・」

女と男の声がした。


女の声は泣いているようにも聞こえた。


私は、もっと聞こうと耳をドアに押し付けた。その時、目の前に大きな蜘蛛が降りてきた。

「嫌あああああああ」





「誰だ?」



尻もちをついている私に、ドアを開けた男が言った。




続く
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by komaoyo | 2015-07-23 23:36 | 読み物 | Comments(0)

♪当ブログ内の写真、テキスト等の無断借用、転載などは固くお断りいたします


by niko
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