クラースネ・シャーコチカの気持ち komaoyo.exblog.jp

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エリスマン邸殺人事件簿 全12話

第8話「1月31日から消える人 」続き




居ない訳がない。

今聞こえていたはずの楽器の音がない。
そこには、当然音を出している人間がいたはず。



消えた。



沢山の椅子を残して消えたのだ。



まさしく狐につままれた状況に居るロサクワ・ズシーカと香見宇 里子。

「ロサクワさん ちょっとここは深呼吸してみましょう」と、 置かれている状況を把握できないで呆然としているロサクワ・ズシーカに向かって里子は言った。

「え? ・・・ ええ」

2人で大きく深呼吸をする。


「すーっはーっ」
「ふーっふーっーーー」

「ロサクワさん 吐いてばかりじゃだめですよ。吸って吐かなくちゃあ」
「えっ?ええそうね」里子の声にロサクワ・ズシーカはうわの空で答えた。

「落ち着きましょう。」胸に手を当てながら里子は言った。
※以下 ロサ・・・ロサクワ・ズシーカ 里・・・香見宇 里子



里「確かにロサクワさんは、楽器の音をお聴きになったんですよね。」
ロサ「えっ?ええ」
里「なのに会場には人っ子一人いない・・・」
ロサ 「・・・」

里「どこに行っちゃったんでしょうね」会場を見まわしながら言った。
ロサ「・・・」



里子は、会場内奥にある衝立の後ろを見たり、また会場外の廊下に出たりした。



里「こっちに外に出るドアが有ります」と言って会場ドアの左側に行った。



里「この扉を開ければ外に出られるんだ。皆外に出ているのかしら?・・・」そうつぶやいてドアをそっと開けてみた。

冷たい風が思った以上に吹き込んだ。

里「わっ冷たっ」


里「寒い外になんか、皆一斉に出るわけないですよね。」ドアを閉めながら横を見ると目の前にロサクワ・ズシーカの顔があった。



里「うわっ吃驚したΣ(゚Д゚)」

「ロサクワさん近!!」





ロサ「里子さん」里子の目をじっと見ながら言った。
里「はっはい」

ロサ「里子さん、よく聞いて頂戴」
里「はい。」目の前のロサクワ・ズシーカから1歩後ろに下がって答えた。

ロサ「里子さん これはもしかしたら・・・もしかしたら、始まってしまったのかもしれないわ」
里「始まるって、何がです?」

ロサ「それはね。このエリスマン邸にまつわる不可解なお話を思い出して、そう思ったの。」
里「 えーなんか 止しましょうよ。怖いです。」

里子は思わずロサクワ・ズシーカの腕を掴んだ。

ロサ「さっき黒い小さいものが、音もなく素早く階段を駆け上がって行ったって言いましたでしょ?」
里「ええ」首をすくめながら、益々ロサクワズシーカの腕をしっかり掴んで答えた。

ロサ「鳴り響いていた楽器達の音はその時点で鳴っていなかったのよ。そう言えば」
里「・・・・・?」


ロサ「音も無く黒い小さなものが私の横を通り過ぎた時には、何の音も聞こえなかったのよ。」
里「音が聞こえていたのに急に静かに?」

ロサ「急に黒いものが現れたものだから吃驚してしまって、楽器の音が止まったことに気付かなかったけれど、確かに楽器の音、止まっていましたわ。」
里「・・・・音が止まった。」

この時点で、何か嫌な予感が里子の胸いっぱいに広がった。




続く



エリスマン邸にまつわる不可解なお話・・・
一体それは何?
私も知りたい。 「(゜゜)゛ キョロキョロ
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by komaoyo | 2015-04-17 23:09 | 読み物 | Comments(0)
エリスマン邸殺人事件簿 全12話

第8話「1月31日から消える人 」


ロサクワ・ズシーカの自宅から、自慢の焼き菓子「クラースネ・シャーコチカ」を持ってエリスマン邸に行くまでは5分もかからなかった。


「皆さんもう集まっていらっしゃるのね」

エリスマン邸の演奏会場に繫がる階段をおりながら、ロサクワ・ズシーカは、楽器の音を耳にしながらつぶやいた。

最後の一段を下りたその時、黒い小さいものがロサクワ・ズシーカの横を通り、音もなく階段を駆け昇って行った。


「わっわわわっ」

危うく手に持っていたクラースネ・シャーコチカの入った籠を落としそうになった。


目を白黒させながら、黒いものが通り過ぎた階段を見上げた。


「吃驚した。」
「何でしょ・・今のは猫?イタチ?…狸??」


この頃ここ山手では、狸やハクビシンが出没して住民を悩ませている。民家の屋根裏に住みついてペットのエサを食べたり、家の中に入り込んで悪さをする被害が広がっているのだ。

「受付のガヲーナさんに言っておかなければ。もし見学の方を噛んだりしたら大変」

可愛らしい容姿に似合わず意外に狸やハクビシンは凶暴なところがある。可愛いと言って近づいた子供に噛みついた事件が、つい何日か前にもあった。

ロサクワ・ズシーカは、今来た階段をまた昇って受付に行った。



受付けは、エリスマン邸玄関を入り左奥にある。

今しがた入って来た時、受付には誰もいないようだった。


「ガヲーナさん ガヲーナさん」何度か読んでみたが返事はなかった。

エリスマン邸の受付けは通常1人。団体客の予約が入った時だけ2人になる。

この日は、予約が入っていなかった為、ガヲーナ ヤボックァ1人が受付を担当していた。


ガヲーナは、ロサクワ・ズシーカと同じオデッサ出身で、まだ20代。親子ほど違うロサクワ・ズシーカの事を母のように慕っている。


「ガヲーナさん いらっしゃらないのね。2階にでもいらっしゃるのかしら?」

「ガヲーナさ~ん」2階に向かって呼びかけた。しかし返事はない。



「このお菓子を届けてから、また受付に戻ればいいわね」そう言ってまた地下にある階段の方に向かおうとした時、後ろから声がした。



「ロサクワさん ロサクワさん こんにちは 」

「あらっ 里子ちゃん こんにちは」声のする方を向いて会釈をした。

「今いらしたんですか?」
「ええ 今来たばかりよ」

「あら? ロサクワさん、 二胡もう会場に置いてきたんですか?」籠だけもっているロサクワ・ズシーカを見ながら言った。

「それが、急に出かけなければならない用事が出来て、残念だけれど演奏会に参加できないの」

「えーっせっかくお家の近くで演奏できるって、楽しみになさっていたのに・・・」
「本当に残念だわ。・・・でもこのお菓子、皆さんに食べていただきたくて持ってきましたの」そう言ってクラースネ・シャーコチカが沢山はいっている籠を持ち上げた。

「まぁ ありがとうございます。これが噂のクラースネ・シャーコチカなんですね。」(^-^)ニコニコして、里子はロサクワ・ズシーカの持っている籠を見た。

「沢山作って来ましたので、どうぞ皆さんで召し上がってね。」
「はい。嬉しいです!!」里子はいつもの3倍の笑顔で答えた。





里子こと 香見宇 里子(かみう さとこ)は、27歳のスタントウーマンで、主に殺陣を得意としている。大学の頃から殺陣同志会という大学公認のサークルに所属し、部長まで務めた経歴を持っている。

仕事柄毎日のトレーニングは欠かせない。そのトレーニングと同じぐらい欠かせないものが、中国楽器 二胡の練習なのだ。二胡の演奏は、体と心のバランスを保つためにも、里子にとって欠かせないもの1つとなっている。

このところHardな仕事が続いた為、中々時間をかけて練習することが出来なかったが、それでもエリスマン邸で演奏するために、撮影所の片隅で撮影の合間になんとか練習時間を見つけて弾いていた。

練習した成果が少しでも出せたら嬉しいと、ワクワクする気持ちでやって来たのだ。



「会場は、地下なんですね?」

「ええ 皆さん練習しているみたいですよ。先ほど音がしていましたから」


「皆 力入っていますね。さぁ 行きましょう」
「ええ」

二人は、会場に向かった。




「さっき、この階段を下りた時、凄い速さで何か小さい黒いものが通り過ぎたのよ。音もなく・・・」地下への階段を下りながらロサクワ・ズシーカが言った

「えっ音もなく?」
「ええ 音もなく。」

「 吃驚して、危うくこの籠を落とすところでしたわ」困惑した顔でそう言った。

「猫とか狸じゃないですか?この頃、ハクビシンも住宅街に出没するってニュースで見ました。」
「私もそう思ったのだけれど・・・でも」

「でも? ・・・まさか幽霊だったりして・・・アハハハハッ」
「里子さん あんな小さな幽霊なんて・・・おかしいわ ホホホホホッ しかも あの速さ ・・・きっと猫かそんな動物でしょうね」自分に言い聞かせるようにロサクワ・ズシーカは言った。


階段を下りて少し進んだところで二人は同時に立ち止まり、顔を見合わせた。

会場の入り口ドアはガラスで出来ていて、廊下側からでも会場内を見ることが出来る。


「あらっ?おかしいわね。今さっき階段を下りてきたときに楽器の音が沢山聞こえていたのに、誰もいないなんて」

「そうですね。もうこんな時間なのに、誰も集まっていないなんておかしいですよね。」そう言いながら里子はドアを開けた。




まるで狐につままれたようたように、そこには誰もいなかった。

残っていたのは、沢山の椅子だけだった。




続く
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by komaoyo | 2015-04-13 09:12 | 読み物 | Comments(0)
エリスマン邸殺人事件簿 全12話

番外



ロサクワ・ズシーカの自宅から、自慢の焼き菓子「クラースネ・シャーコチカ」を持ってエリスマン邸に行くまでは5分もかからなかった。



こう書いて一か月。筆?は止まったままでした。


未だ伊勢谷仁がどんなやつか分からないのに・・・。未だ序章みたいなのに・・・。

このまま知らん顔してフェイドアウトしちゃう?・・・・・・ふふふっそんな訳ありませんよ。

たまにこのブログを覗いて下さった方、「まだ続き書かんのかいっ」と一瞬でも思った方、本当にすみません。この場をお借りしてお詫びいたします。


さぁ 桜餅ったことだし・・・いえいえ 桜も散った事だし(桜が咲いている間は、お話は書かない主義です。キッパリ ('◇')ゞ ナ ン テ ) 残りの回をダッシュで・・・チンタラ ・・・たぶん・・・・書いていきますよ。

さてさて お待たせいたしました。

ロサクワ・ズシーカさ~ん出番ですよ。

香見宇 里子(かみう さとこ)さん・山咲美結(やまざき みゆ)さん・古代家 志乃(こだいけ しの)さん・棋士江川 要伍(きしえかわ ようご)さん・四万騎 佐伽柾(しまき さかまさ)さん・Natsumu 寶 (なつむ かたら )さん・元安比奈 夕凪(もとあいな ゆうな)さん・大嶌 李弥子(おおしま りやこ)さん・志穂見 ロミ(しほみ ろみ)さん・呂田陀 亮(ろただ りょう)さん・ガヲーナ ヤボックァ(がをーな やぼっくあ)さん 他etc・・・の皆さまも、Standbyよろしくお願いします。(^o^)/


第8話に続く
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by komaoyo | 2015-04-11 00:58 | 読み物 | Comments(0)