クラースネ・シャーコチカの気持ち komaoyo.exblog.jp

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by niko
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3日目


5時半のモーニングコールと共に起きた僕。元ベテランCAのお姉さんも起きて、電話を取っていた。
いく姉さんはベットにいなかった。何処に行ったんだろう。バスルームかな?

5分位したら、部屋の入り口のドアがそーと開いた。


<いく姉さんの回顧録>

すぐに開いたんですドア。真夜中開かなかったドアが・・・。神さまのいじわるぅと思いましたね。真夜中に開いていれば、ベットで眠ることが出来たのに。・・・はいはい自業自得です。カードキーを差し込んで、ドアノブを開けるタイミングが悪かったんだと思います。(-"-; 


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



入って来たのはいく姉さん。コンクール結果を見てきたのかな?

何だか疲れているようだった。ちゃんと寝たのかな?

「おはようございます。優勝していました。凄いですよね!!いつも早く起こしてしまってすみません。あれから直ぐに眠ること出来ましたか?本当に毎回起こしてしまって・・・。すみません。バスルーム先に入っていいですか?」早口でそう言い、了解を得ると、バスルームに入ってしまった。

シャワーの音が聞こえた。

ドライヤーの音。

短時間の間に髪まで洗っていたみたいだった。


バスルームから出て来たいく姉さんは、「私、今日は朝食を食べないで、ちょっと休んでいます」と言って、ベットに入って行った。

元ベテランCAのお姉さんは「えっ?朝食はちゃんと食べなければだめよ。今日も1日長いんだから。少しでも何か食べなければ」と、いく姉さんを気遣って何度も言っていた。

それでもいく姉さんは、酷く疲れていたようで「少しだけでも目を閉じています。すみません」と言って目を閉じてしまった。

あんなに朝食バイキングを楽しみにしていたのに、それを食べないなんて・・・いく姉さんの辞書に「朝ごはんを食べない」なんて言葉があったんだ。

お供の僕も、当然朝食バイキングの場所に行かずに、テレビ台の横でおとなしくしていた。


少しして、元ベテランCAのお姉さんは、一人で朝食を食べに行った。

いく姉さんは、ずっと目を閉じていた。寝ているのか寝ていないのか、全く動かなかった。



<いく姉さんの回顧録>

あの時フカフカのベットの場所で、いつまでも前日「20th」を皆で演奏した直後の幸福感と真夜中に見た、Congratulation優勝の文字を見た時の感激を抱いたまま、ずーとこのまま此処にいたいと思いました。。

目を閉じ乍ら、眠たすぎて眠れない辛さと戦っていたのも事実です。魅力的な朝バイキングを逃してまでも眠りたかったのです。なんとしてでも。






暫くして、元ベテランCAのお姉さんが部屋に戻って来た。
丁度起き上がろうとしてたいく姉さんを見て「少しは眠れました?」と優しく声をかけていた。

「あーこのままずーと、このベットから離れたくないです。ここでまどろんでいたいです。今日は私、ずーとここにいようかなぁ~」冗談とも本気ともつかない事をいく姉さんは言った。


「何を言っているの?コンクールに出る事が今回の目的なんだから。だめですよ。そんなこと言っていては。はいこれ」元ベテランCAのお姉さんはそう言って、いく姉さんに白い包み紙を渡した。

「あっこれ、マフィン」包みを広げ乍ら、いく姉さんは言った。

その包み紙の中には、プレーンマフィンとチョコレートマフィンが甘い香りを漂わせて仲良く並んでいた。

「少しでも食べなければ駄目ですよ」優しく、しかしきっぱりと元ベテランCAのお姉さんは言った。

「わーっわーっありがとう。すみません」ベットの上に座り、頭を下げるいく姉さん。


流石、元CAさんだ。気配りが行き届いている。

この事は、今回の旅で何度も感じたことだった。気配りが身についているといって良いだろう。さりげない気配りが出来る人なんだ。

ここだけの話だが、元ベテランCAのお姉さんといく姉さんとでは、大分違うと思ったよ。いく姉さんはよく言うと、自由奔放だ。直感型だ。先を見越せない甘さがある。悪気はないんだが、周りに迷惑がかかることも深く考えていないところがあるね。そして落ち着かない人。思い立ったら行動しちゃうタイプ。

あはっ いく姉さんを分析するレポートじゃなかったね。これは香港旅香港コンクールのレポートだった。U(・・;)>先を続けよう。



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ロビーに降りて行くと、優勝をたたえ合う心弦の仲間が大勢いた。・・・こう書きたかったけれど、皆朝食ビュッフェのレストランで既に優勝を分かち合っていたみたいで、熱気あふれる喜びの空気よりは幾分覚めていた様だった。



<いく姉さんの回顧録>

ロビーにいる仲間に真夜中の出来事を一通り話したら「夢見ていたんじゃない?」と一笑されちゃいました。そうですよね、出来過ぎた話だと思います。ジブリの曲で優勝した事を知り、その時ジブリがBGMで流れた話なんて・・・タイミング良過ぎるもの。でもでも本当なのになぁ~誰も周りにいなかったことが悔やまれます。



バスが到着して皆乗り込み、グランプリを目指したコンクール会場に向かった。


いく姉さんはバスの中で、横に座ったかなやんにこんな事を言っていたよ。

「私ほとんど寝ていなかったけれど大丈夫。今日のコンクール会場は、今までと違うちゃんとしたホールだから、ふかふかした椅子に座れるよね。演奏し終わって表彰式もあると言うから、その間照明の落ちた客席で仮眠を取るわ。何だか楽しみ!!」まるで今日の目的が、薄暗い客席でフカフカ椅子に座り仮眠を取る事のように言っているいく姉さん。

バスは目的地目指してどんどん進む。

いく姉さんは車窓を見ながら、薄暗い客席でフカフカ椅子に座り仮眠を取る自分を想像して薄笑いを浮かべていた。

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いく姉さんは、極度の方向音痴だ。


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しかし、そんないく姉さんも次第に自分の誤算に気が付く時が来る。


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見慣れた建物。

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見慣れた旗。

そして・・・。


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見慣れた椅子に再び座る事に気づく時が・・・。






to be continued













*
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by komaoyo | 2016-10-19 05:39 | 二胡 | Comments(0)
僕はぐっすり眠っている。いく姉さんがエレベーターホールで長い夜を過ごしていることなど知らないで。



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空気清浄機の音だけが、その存在を誇示するかのようにシューと音を立てている。


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その音を聞きながら、途方に暮れるとはこういうことなんだなぁとしみじみ思った。

後悔先に立たずとはよく言ったものだ。

コンクールの結果を早く知りたくて、真夜中に見に行っちゃったことは後悔していなかった。だって早く知りたかったんだもの。でもそのことで、同室の人を起こしてしまったことは後悔していた。

そしてその結果、部屋に入れず(再び起こしてしまう事を恐れて)、エレベーターホールの上品な小さな椅子に座って、いつ来るとも知れない朝を待ち続けることになるなんて・・・自業自得を絵に描いたようなこの状況を笑うしかない。

でも、こうして座れる場所を確保出来たんだもの、神に感謝だわ。


私はツイている。


前向きな性格は私の強みだ。

さて、何をしてこれからの時間を過ごそう。

そうだ、優勝の喜びと感謝のメールを一番に伝えたい人に送ろう。



To 巫謝慧先生

Sb感謝致します。


ウェイウェイ先生
おはようございます。

今「congratulation心弦優勝」の文字を見て来ました。

やったーぁ万歳!と思ったと同時に感謝の気持ちが湧きおこりました。本当に本当にありがとうございました。

私は・・



(ノ)゚Д゚(ヾ)あっ



ここまで書いて、またしても大きな自業自得の文字が私の頭を一撃した。


電波が届かない。


そうだ(;゚Д゚)持参したガラパゴス携帯は、カメラ機能だけ使うつもりで持って来たもの。香港で通信に使えるようにはしていなかったのだ。


あーーあ送信出来ないんだった。


富士山麓の樹海で遭難した気分になった。




ならば今起こっていることを日記代わりに書くことにしよう。(すぐ前向きになれるのは、香港来て培った臨機応変力の賜物だ。)


5時半のモーニングコールを待たずに2時半に起きてしまった。結果が気になったが、流石に真夜中に見に行くわけには行かないとベットの中で・・・




(ノ)゚Д゚(ヾ)あっ



ここまで書いて目に入ったのは、バッテリー残量あと1目盛りの表示。



なんで今・・・今なんだよぉー



大切な携帯のバッテリーを無駄に減らすわけにはいかない。



この携帯が使えなければ時間を知ることも出来なくなる。モーニングコールが鳴る5時半を確認できなくなるのだ。それはまずい。大変まずい。Maxまずい。


私は急いで携帯の電源を切った。

※以降掲載写真は電源を切る前に撮った写真です。


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携帯の電源を切った途端、物凄い孤独感が私を襲った。


心細くなって、目の前の湾曲した窓ガラスの向こうに見える、冷たい暗闇に吸い込まれてしまう気がした。


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641号室のカードキーを左手に持って深くため息をつく。
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暫しじっと目を瞑る。


数分も経たないうちに目を開ける。

誰か私を見ている・・・。そんな気がして、湾曲している目の前の窓ガラスを見る。

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廊下を白いシャツを着た人が、さーっと横切る姿が映ったような気がした。

素早く後ろを見る。



誰もいない。



絶対気のせいだと思うことにして又目を閉じた。


目を瞑りながら

こんな真夜中にこんな所にいる私の方が吃驚な存在かも。-(  ̄ー ̄)あはははっ

こんな真夜中に不運にも私を見た人は、 ニューワールド ミレニアム(宿泊しているホテルの名前)のゴーストと勘違いして怯えて逃げる・・・なぁんて。


(・_・)パチリ

ああこんな妄想をこんな所でこんな時間にしているなんて、何をしているんだーっ私。




もう眠るのは止めよう。



そうだ!!妄想するなら、コンクールの曲を本番で演奏することを妄想しよう。


ここはコンクール会場。少し緊張しながらも舞台に出て行く私たち。目の前にはずらりと審査の先生方が並ぶ。


静かに森丘さんのピアノの音が鳴り始める。ジブリの「君をのせて」を心を通わせながら奏でる。



曲が終わると同時に、今度は森丘さんの手拍子と共に次の曲「アストゥリアス」が始まる。

16分音符の連続、正確に粒を揃えアクセントを付けメリハリの効いた演奏を心掛ける。1小節1小節をただ繋げるだけではなく、大きな流れを考えて演奏する。



真夜中にエレべーターホールで、コンクール曲をガンガン演奏する女、しかも妄想で。
 


「ジブリ君をのせて~アストゥリアス」の次は「20th」。


妄想といえども、心を込めて演奏するので、エネルギー消費量が半端ない。歌が入るこの曲では、腹式呼吸になるので、余計にエネルギーを使うのだ。




何度も妄想演奏するうちに、次第に意識が薄れ私は眠ってしまったようだった。






はっと気づいた時、窓の外は漆黒の闇がすっかり薄らいで待望の朝が訪れていた。

急いで携帯の電源をオンにして時間を確認する。


5時35分

やっと
やっと
やっと朝が来た!!しかも待望の5時半も一緒に来ていた!!

\(^o^)/万歳

私は上品な小さい椅子を、よいしょと掛け声をかけ乍ら元に戻し、早足で641号室に戻って行った。







To be continued





*





さあ、最も長い1日の幕開けだよ!アメージングな香港旅3日目始まり始まりーぃ。まだ3日目だったんだね。何だか1か月くらいたった気がするね。


因みにいく姉さんは大きな誤解をこの時していた。とっても大きな誤算と言っても良い。人生何処に落とし穴があるか分からない。いく姉さんの誤算は何だと思う?ヒントは椅子だ。(^_-)

椅子の誤算・・・益々分からないヒントだね。
次回レポートでその謎が明かされるよ。楽しみにね!







 




*
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by komaoyo | 2016-10-08 20:20 | 二胡 | Comments(0)
香港旅13回目も僕のレポートじゃないよ。いく姉さんに何が起こっていたか、僕はぐっすり寝ていたから知らない。


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優勝だよ!!優勝したんだよ!!皆!!

ジブリの曲で優勝した事を知った時に、ロビーにジブリの曲が流れたんだよ。



こんなビックニュースを誰とも共有できないなんて・・・。手を取り合って喜ぶことも出来ないなんて・・・。一人で喜んで一人で泣いて一人で感動して一人で号泣して。

嬉しいんだか悲しいんだか、複雑な気持ちのままエレベーターで6階に上がり、自分の部屋のドアの前まで行った。


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641号室の前。

嬉しさ悲しさの入り混じった心を打ち消す現実が待っていた。



せっかちが災いして、隣のベットで眠っている同室の人を起こしてしまった罪を思い出したのだ。

 
ドアの前でしばし考える。


どうしょう。どうしよう。


彼女は今頃再び眠った頃だろう。


いくら耳栓をしていたって、人が出入りすれば絶対気づくはず。


私に3回目は無い。(しつこいようだけれど、1回目5時・・足が攣り大声を出し起こしてしまう。2回目3時30分・・コンクールの結果が早く知りたくてぬくっと起き、身支度中起こしてしまう。)


どうしよう。どうしよう。


真夜中にドアの前で悩む事10分位。


こんな事していても時間はどんどん過ぎて行く。

私だって人間だ、睡眠を取らなくちゃ。しかも今日はグランプリが決まる大事なコンクールもある。少しでも寝ておかないと指だって動かないし、頭だって働かない。

考えた末、部屋に入ることにした。



so-to so-toカードキーを差し込む。

「赤く点滅」

so-toドアノブを捻ってもドアは開かない。



so-to so-to向きを変えカードキーを差し込む。

「赤く点滅」

ふはははははっ ・・・笑いに力入らず。


もはやドアノブを捻ることもせず、私は後ろを向き部屋を後にした。




ドアをガチャガチャ動かして、彼女を起こしてしまう勇気は私にはなかった。





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長い廊下をトボトボ歩く。


あーあ 帰る場所も無く一体私は何処に行ったらいいのだろう。


自業自得


モーニングコールが5時30分だから、それまで時間をつぶせばいい。でも一体何処で?

外に出るわけにも行かない。

ニョキニョキ生えている大きな柱があるロビーの、フカフカソファーで仮眠するのも悪くないが、先程号泣した事をカウンターにいたホテルマンは知っていたかもしてない。ただでさえ恥ずかしいのに、部屋にも戻らずロビーのソファーで仮眠するなんて・・・ああ出来ない。


長い廊下の終点、6Fエレベーターの前に着いた。


はぁ
何をしているんだか。深いため息をつく。


この大きいホテルの中、起きているのは私とフロントにいるホテルマンだけかもしれない。あっ警備の人も起きているかも。 

もっもっ もしかして ホテル内をウロウロしている私を、要注意人物としてマークしているかも?

咄嗟に6階エレベーターホールの上の方を見て、防犯カメラの位置を確認した。


ただでさえ挙動不審な女は一層怪しさを増した。


本当にどうすべきか?



臨機応変力がこんな所で試されるとは・・・・。



はははっ 笑う力はとうに失せている。


コンクール結果を知りたい為に、丑の刻に起きたあの勢いはもう跡形も無くなりドッと疲れが出て来た。

暫くエレベーターの前で佇む。



ふと左を見たら、小さい上品な椅子が2脚並んでいた。



兎に角座ろう、座って落ち着いてこれからの身の振り方をゆっくり考えよう。
身の振り方って言ったって、たかが5時半までのことだ。わっははははっと空笑い。


小さい上品な椅子に座ってみる。


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何だかエレベーターを乗り降りする人を見張っているようだ。万が一こんな時間に人が通ったら、私を見た人も、私自身もぎょっとするだろう。

そう思って取り合えず 座る椅子を窓側に向けた。


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廊下側から椅子を遠目に見るとこんな感じ。

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向きを変えた椅子に座り直す。




携帯を見る。



急いで部屋を出た時、無意識に携帯を持って来て良かった。時間が判るし・・・。


(o・。・o)あっ!



これって・・・・。


私は自分の馬鹿さ加減をまたもや認識することになる。


携帯の中の時計は日本時間のままだった。


即ち、香港時間は日本時間より1時間前になる。


つまりつまり 私が起きた時見た携帯の時間は2時半、3時半じゃなくて2時半




嘘・・・・。



上品な小さな椅子からズルズルっと落ちそうになる。




・・・と言う事は・・今何時なんだ?


5時半まで刻一刻と時は進んでいるはずだったのに、一気に1時間逆戻りしてしまった。









to be continued






開けない夜は無いはずなのに、いく姉さんには朝は中々来ない。 By じぇいそん









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by komaoyo | 2016-10-05 21:19 | 二胡 | Comments(0)
3日目 丑の刻




これから起こるお話を僕は知らない。何故なら641号室でぐっすり眠っていたから。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



1時過ぎに眠ったのに・・・。
(゚_゚)パチッ  起きてしまった。


携帯を見たらまさかの3時半。
カーテンの隙間から青白い夜がこっちを見ている。


起きたらいけない、なんとしても眠らねば。 一生懸命頑張って目を閉じる。  

眠れない度マックス!!



もう出てるかな?コンクールの結果。  
もうホワイトボードに書いてあるかな?


気になる気になる気になる!

気になっても寝なきゃ
なんとしても寝ないと。

モーニングコールがある5時半までの2時間余り、ベットにしがみついていなければ・・・。


睡眠薬代わりに歌を聴く。















素敵な声・・・。







うーむ 余計眠れなくなった。



今起きれば、お隣に寝ている元ベテランCAのお姉さまを起こしてしまうやもしれない。

2日目・・・5時に足が攣って大声を上げ起こしてしまった。
3日目・・・3時半に起きてしまう。眠れずむくっと起きてしまい、同時に起こしてしまう・・・わけにはいかない。







じーとしている。







携帯で時刻を見ても5分と進んでいない。




目をつむる。




チャンミンの甘い歌声を又聴く。




(゚_゚)パチッ




結果が気になって眠れない。


こうなったらゆっくりそーと起きて、バスルームで着替えて見に行っちゃおう。イヤホンを耳から外し起き上がり、出来るだけso-to足を床につけた。

so-to so-to so-to ・・・・まずはクロゼットから洋服を取って so-to so-to  ギーっ クロゼットは扉を開けると明かりがつく。部屋に明かりが漏れないように扉を最小限に開け、そこから洋服を取り出す。 so-to so-to  無事 洋服取り出し完了 ギーッ 慎重に扉を閉める so-to so-to 次はバスルーム。

自分のベットの位置が、クロゼットとバスルームの近くで良かったぁーという喜びを噛みしめ、バスルームのドアをso-to開ける。

カ・・チャ 

僅かな隙間から滑り込み又so-toドアを閉める カ・・チャ


「ふふぁぁー」心臓に悪いわぁ


真夜中に、いくら結果が気になるからって、同室の人を起こしてしまう危険を冒してまで見に行くの?いいやいいや、気になる結果を思いながら、まんじりともしない夜を過ごすことなんて私には出来ない。

細心の注意を払って行動すれば絶対大丈夫。妙な自信がどこからか出てきて、私はすばやく身支度を整えバスルームのノブを握ってドアを開けようとふっと下を見た。

白いスリっパが見えた。

いや~んっ スリッパじゃん私
無意識に履いていたスリッパ。



靴を取り出す為にまた、クロゼットを開けなければいけない。クロゼットの中の明かりがなるべく漏れないように又慎重に開けなければならない。  開けなくちゃ靴を取り出せないもの。

バスルームのドアをso-to開けso-to閉め、抜き足差し足でクロゼットの前に行った。


息を殺してクロゼットの扉に手を掛けた時



「もう時間ですか?」と奥のベットから少しかすれた声が聞こえた。




w(*゚o゚*)w


 あー起こしちゃった・・・。


又起こしてしまった申し訳なさで一杯になった私は、クロゼットをばッと勢いよく開けて急いで靴を取り、その靴のかかとを思い切り踏みながら履き、ドア横に差し込んでおいたカードキーを手にすると

「ごめんなさい まだ寝ていてくださいね。 ちょっと行って来ます」小さい声でそう言い、慌てて前のめりに部屋を出た。




バタン

部屋のドアを閉める音がやけに大きく聞こえた。




ああ 昨日は5時。今日は3時台に起こしてしまった。本当にごめんなさい。心の底からドアに向かって誤った。

そして私は、ロビー目指して夜中にかかとを踏んだままのスリッパ状態の靴をはいて駆け出した。



6階のエレベーターの前。エレベーターは中々来ない。

やっと来たのは一番端のエレベーター。急いで乗り込む。


早く結果を知りたい。コンクール本番直前の演奏内容の変更。20thを演奏した時の幸福感。審査委員の反応。

昨日あったことがグルグル頭の中を駆け巡る。


香港のエレベータ速度は日本より早い気がする、なのにこの時のエレベーターは恐ろしく遅く感じられた。

 
Chi-n

エレベータのドアが開いたとたん飛び出した私。

「?」

目の前に広がる景色が違う。左手にはピアノ・・・。

ピアノなんてエレベーターの前に無かった。

「えーえーっどこに来ちゃったの?私」

慌てているから状況が余計飲み込めない。間違った階で降りちゃった?
後ろを振り向いたら、降りたエレベーターはもう閉まっていた。

狭い踊り場のような場所。そろそろとピアノの先に行ってみる。

左側に小さな階段があって、見慣れたロビーが下に見えた。

「なぁーんだ、ロビーに出られるのね」


ほっとして小さな階段を下りてロビーに行った。

丑の刻、ロビーには人っ子一人いない。

柱だけがニョキニョキと生えていた。


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不思議な空間。


フロントにはホテルマンが一人。


こんな時間にロビーを通り過ぎようとする人間に、ぎょっとしたかどうかは分からないが、コンクール結果を早く知りたい、せっかちな客としての認識はしたかもしれない。(実際そうだから(・・;))

小走りにロビーを走り抜け、先程とは別の小さい階段をトントントンと上がる。







薄暗い場所にぼんやりと白いホワイトボードが浮かんでいた。




そこには


 

結果が




出ていた。


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きらきら光る  Congratulationの文字



わっわっわっ優勝だ!!




誰もいないロビーに向かってガッツポーズを取る。


素早く口を抑える。「ヤッタァー」と叫びそうになったからだ。


涙がじわっと出てくる。

何度もCongratulationと書かれたホワイトボードを見る。






よく見ると「20th」での優勝ではなく、ジブリチームの優勝と書いてある。

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えっ?てっきり20thの優勝だと思ったので少し拍子抜けしてしまった。まだ20thの審査結果は出ていなかった。


結果なんて気にならないと思っていたのに、今はしっかり結果が気になる。
出来れば70名全員で演奏した20thでも優勝したい。



誰よりも早く結果を知っちゃったのに、喜びを共有出来ないもどかしさ・・・。いつまでホワイトボードの前にいたって誰も来ないだろう。多分皆ぐっすり寝ている。




誰も来ないよなぁ



淋しい気持ちを引きずり、ホワイトボードから離れようとした時、奇跡は起こった。












何処からともなく、ジブリの音楽が流れだしたのだ。




何?何?どうして?えーーーー?




ジブリチーム優勝と書いてあるホワイトボードの前で私は号泣してしまった。




ロビー一杯に流れるジブリの曲。



※この時「コクリコ坂から」が聞こえたと思ったけれど、後で魔女の宅急便だとわかった。




コンクールの結果を早く知りたいと、真夜中にホワイトボードを見に来たせっかちな客の為に、ホテルの方が流してくれた??わけないか・・・。だとすれば偶然???



こんな偶然が起こるなんて。



何の信仰心も持たない私でも、神さまの存在を感じずにはいられなかった。
神さまからのプレゼントをもらった気分だった。



そうだ神様からのサプライズなんだ!!



ひとしきり感激の涙を流し、涙をぬぐいながら誰もいないロビーを横切り、エレベーター近くまで歩いて行った。



私は後ろを振り向き、もう一度ロビーを見渡した。



相変わらず、にょきにょきと生えている大きな柱が見えた。











to be continued















天使と悪魔はいつも一緒にいる。天使の後ろで悪魔が微笑む時・・・・それはもうすぐ。




































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by komaoyo | 2016-10-04 23:19 | 二胡 | Comments(0)