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2017年 二胡発表会②


大切な1日の始まりを、全くそぐわない形で否応なく起こされてしまった私が、まず最初にやった事は、5時半にSETした目覚まし時計のリセットボタンを押す事だった。

「ちょっとちょっと!5時半だって早いと思っていたのに、4時半起きって、あ~~~~~ありえない」強制的に意にそぐわない事をさせられるって、物凄く頭に来ることだ。ましてやそれが大事な1日の始まりなら余計にそう思う。

この大切な日は、私にとっては大切な日だけれど、夫にとっては何でもないただの休日だ。そうは思っても、1年半1つの曲をずーと練習しているのは知っているはずだ。前日のドギマギして落ち着かない様子も知っている。ならば何故・・・。「目覚まし時計の頭を叩いて変な時間に時間を確認しないでね」と釘を刺しておいたのに何故・・・何故何故。

何を言っても後の祭り。思えば30年間ずっと、大事な時に限って「おやおや」という事を夫はやってくれた。書きだしたら、平凡社の世界百科事典くらい膨大な量をが書ける自信がある。あんなこともあった、こんなこともしでかした。

3歳の長男の初めての運動会。1歳の次男が熱を出し周りに預ける人もいなかった為、替わりに長男の運動会に出るか、次男を家で見て欲しいと頼んだら、どうしても大事な用があると言って出かけてしまった。 病む終えず熱冷まシートを次男のおでこに貼り、おんぶをしながら長男の運動会に出かけた。1日中次男をおんぶしながら、情けない気持ちで初めての運動会で不安な長男を見守っていた事がある。

夫の大事な用とは、横須賀の米軍基地に入港したインディペンデンスを見学する用だったのだ。後で運動会当日の日付が入った軍艦の写真がわんさか出てきて発覚した。我が家でBest5に入る超ひんしゅくな出来事だった。そしてある時は・・・あっ 💦


話を戻そう。



もう2度寝は出来ない状況の私。残された選択肢は起きることだけだった。

洗面所に行き、小窓のレバーを右に回しジャロジーガラスを開けた。冷気が顔にさぁーと当たる。
外はまだ朝ではなく夜のままだった。

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早々過ぎる位早々に身支度を済ませ、携帯に取り込んである今日発表会で演奏する「葡萄熟了」を聴いた。

葡萄熟了は、ウイグル自治区の都市トルファンの人々が、葡萄の豊作を歌や踊りで祝う光景を生き生きと表現した曲。作曲家の周維(1961年~)が、1982年に新疆ウイグル族の音楽を元に作曲した。楽・歌・舞の3部構成で出来ている。

https://youtu.be/OV5P77CDhQc

軽快な2拍子。聴いているこちらまで肩を上げ下げして踊り出したい気持ちになる。とてもウキウキする曲なのだ。

1年半余り、甘建民先生にこの曲だけを教えて頂いた。

中国楽器の二胡を習っているのに、習い始めた時(甘二胡学院の前に別のお教室に通っていた)から10年以上、中国曲は何曲か習っていたが、中国曲イコール難解・・・イコール苦手意識があり、積極的に練習してこなかった。寧ろ中国曲が課題の時は、レッスンを真面目に受けていなかった・・・休んだり・・休んだりしていた(-"-;A ...アセアセ。

それが、他教室の生徒さん方との交流で(月に1度集まり1、2曲を演奏しあう)中国曲の奥深さ・面白さに開眼してしまい、中国曲を本格的にやってみたいと思うようになったのだ。そこに集まった二胡友さん達が演奏する曲は、どれも新鮮だった。私も弾いてみたいと思わずにはいられなかった。

いつしか、王道の中国曲も弾けて、jazz・tango等ポピュラーな曲も弾く事が出来る人になりたい、と思うようになっていた。

”二兎追うものは一兎も得ず"の不安もあったが、二胡の魅力が一杯詰まった中国曲を弾かずにはいられなくなっていた。

ダブルスクールを1年続けていたが、夫の定年と共にそんな贅沢な事は続けられなくなり、グループレッスンである前の教室を休学と言う形で辞めた。(友人から「続けたいなら働けばいいじゃない」と言うごもっともなご意見を頂戴した。が、グループレッスンにも限界を感じていたから、このまま個人レッスンだけで行こうと思う。3年前に仕事を辞め、自由気ままな時間を謳歌させてもらっている現状を変えたくないのが本音だけれど。※夫よすまん。こんな嫁で。二胡に韓国語と充実した毎日をあなたのお陰で過ごせています。心の中では夫でなくパトロンとして存在を認識。(^^;)

来る日も来る日も練習した「葡萄熟了」。印刷して持っていた楽譜は多くの書き込みがしてある1代目。持ち運びなどでぼろぼろになり新たに印刷した2代目。その楽譜も破れたりして結局3代目の楽譜を印刷する事になった。3枚目には書き込みはほぼしていない。注意事項が全てクリアされた訳ではないが、大体は覚えてしまったから。それと、一々書くことを先生は良しとしない気がしたからだ。※「そんな事は一々書かなくていい」と言われた記憶がある。記憶違いかな?

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楽譜がぼろぼろになるほど沢山練習した曲は、今までなかったかもしれない。飽きることなく出来たのは、(正直何度か新しい曲を習いたい時もあった)先生のご指導も勿論だけれど、やってもやっても出来ない歯がゆさと、習っても習っても新しい問題点が出てきて、新鮮な気持ちを持ち続けることが出来たからかもしれない。結局は、全然習得できるレベルに到達していない、良く言えば伸びしろたっぷりだから飽きなかったのかもしれない。

1曲を仕上げるのに、他の人はどの位の時間を費やしているのだろう。

葡萄熟了を2、3度聴き終わっても、まだ当然夜は明けていなかった。

折しわが出来るといけないからと、ハンガーにかけておいた衣装を丁寧に折り畳みカバンに仕舞う。他の持参するものは既にカバンの中。
後する事といったら朝ごはんを食べることしか残っていなかった。夜明け前に食欲なんて、いくら私でもあるわけが無い。何をしよう。洗濯だってこんな夜中にやれば近所迷惑だし、掃除機掛けなんて愚の骨頂。「あっそうだ!包丁研ぎしたかったんだ!」そう思ったとたん、いやいやいや、これだけはやってはだめ、と思い直した。

発表会2週前頃から台所仕事、特に包丁の取り扱いに気を遣う。指を怪我をしたら元も子もないからだ。大量のみじん切りをする餃子作りも、千切りばかりを必要とする春巻きなどもっての外。少し触れただけでもスパッと切れる包丁は、この時期は少し切れ味が悪くなる。(研がずに土物の器の底で簡単に研ぐだけだから)
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演奏家は、普段包丁を使っているのだろうか?指を怪我しない様にどうやって注意をしているのだろうか?1年に1度の発表会でさえ気を遣うのだから、プロの演奏家は大変だと思う。

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何をして出発までの時間をつぶそうかと考えてみる。

練習しておこうか・・・。


二胡をケースから出し、消音機を駒に挟みほんの少し音を出してみた。

D-A-D-A-調律して・・・葡萄熟了の伴奏をイヤホンで聴く。情緒溢れる揚琴の音色・・・弾むリズム。

??????

とたんに最初の音をどこから始めるのか分からなくなった。

「え?え?えええええええっ=====っ今更ーーーーっ」

心臓がとたんにバクバクした。

「ええええ・・と。落ち着いて落ち着いて・・・。あはっそうだ!!外弦の開放弦からだったぁ」

「良かった本番じゃなくて」

「最初の音を思い出して良かったぁ~」

・・って、だめでしょう。1年半も練習したのに最初の1音が分からなくなるなんて。

でもこれは二胡を弾く人なら、良くある”あるある"じゃないかしら。(流石に一音目を忘れる事は無いと思う(^^;)) 
演奏会の前の記憶喪失。💦今まで間違えたことが無い場所を間違えたり、どの指から弾くのかしら??とか、練習すればするほど焦り下手になるとか。

直前に練習するのはよそう。不安を増大させるだけだ。そう思い二胡をケースに戻しチャックを閉めた。

外はまだ夜明け前。

一体いつになったら夜は明けるのだ。


続く


※さあ次回こそは、発表会場に着く所までは書きたい。「いやぁんだめだろ!!それっ」と思う事が数々起こります。(㊟夫は原因ではありません(^^;))



























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by komaoyo | 2017-11-30 22:23 | 二胡 | Comments(0)

2017年 二胡発表会①  

発表会前日、翌日5時半に起きるため21時30分に布団に入った。静かな音楽を聴きウトウトしたところ、襖が「がーっ」と開いて夫が寝室に入って来た。

21時台に就寝することなんて普段ないのに。

私「なによぉもう寝るの?」睡魔を中断させられ小さな怒りがこみ上げる私。

夫「なんだかパソコンで麻雀していたら、眠くなっちゃって」

悪気なくあっさり言い、さっさっと布団に入る夫。

私「ウトウトしてたのに起きちゃたじゃないのぉ。今まで22時前になんて寝ないのにぃ何よ何よ!!今日に限って」明日Bestな状態にいられるように、逆算して布団に入ったことが水の泡。
私「明日発表会があるんだよ。朝早いんだよ。17時半に起きる為に早く寝ようと思っているのに・・なんで邪魔するのよ」
怒りが増大中の私をよそに、布団に入った夫は即、寝息を立てていた。

早い。早すぎる。(;゚Д゚)

寝つきの良い夫よ。強力ないびきをかいて私の睡眠を妨げないで!!

私の心配はほとんど的中する。
案の定夫は気持ちよさそうに、いびきを掻いて就寝中。
 
空虚感が私の周りを漂う。

以前住んでいた家は広くて寝室も別だった。なので睡眠を妨げられることは無かった。船上生活のような今の狭い家では、寝室を分けられない。

早く寝たもん勝ち。100戦100勝 夫の勝率は凄い。(◎_◎;)

暗澹たる思いで台所に行き水を一杯飲み、ため息をついた。

世の中ままならない事ばかり。特に私の場合、夫によるままならない場合が多い。

神さまが試しているとしか思えない時がある。(◎_◎;)

どうにか七転八倒して寝た私に、神は次の試練を与えた。

『4時25分です』

声の主は夫のしゃべる目覚まし時計。

眠りの浅い私は飛び起きた。

私「なんでこんな時間に時計を押すのよぉ」
5時間くらいしか寝てない私は、いきなり怒り心頭モードに入る。

夫「何時かな?と思って押しちゃった」寝ぼけたような声で夫が言う。

夫の目覚まし時計は時計の頭を押すと、その時の時間を大声で知らせてくれる。暗闇でも時間が判る余計な機能付きなのだ。

私「あなた、今日は何の予定も無く早く起きる必要なんかないじゃない。どうしてこんなに早く時間を確かめるのよ。いい加減してよ」


スースー

隣の布団で軽い寝息を早くも立てる夫。



暖簾に腕押し・糠に釘・馬の耳に念仏



数々の邪魔を悪気なくやってのける夫。あんたは大した男だよ(ちびまる子ちゃん風に)

漆黒の闇にポンと放り出された私は、ため息と共に長ーい1日の始まりを迎えたのだった。


続く※またまた始まるシリーズもの 数々のドラマがあった発表会とその前後も含めたお話を書きます。エリスマン邸殺人事件も香港コンクールのシリーズも中途半端に終わっているのに。あはははっいい加減。せめて今回はちゃんと最後まで書きます。





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by komaoyo | 2017-11-28 21:15 | 二胡 | Comments(0)

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